「せっかく家づくりをするなら、サステナブルを取り入れたい!」と、ウキウキ気分で始めた家づくり。でも現実は・・・予算やタイミング、さまざまな制約もあり、なにを諦めるか、どうやって予算をとるか、たくさんたくさん悩みました。
メーカーさんのご理解やご協力もいただきながら、わが家なりに精一杯考えて、できる限りのエシカルを取り入れました。
今回は、わが家の家づくりに取り入れられた12のサステナブルをご紹介します。最終的には、家族みんなが大好きになるおうちが完成しました。サステナな家づくりの選択肢として、これからリノベーションをする方や家づくりをする方にとって、参考になることがあればうれしいです。
地域密着型ハウスメーカー
建て替え
検討から引き渡しまで1年以内にしたい
夫はエシカルに積極的ではない
1. 骨組みに国産木材を使用
家の骨組みは鉄骨か木造か、そこでまず大きくわかれるのですが、わが家は国産ひのきの集成材を使用しているメーカーさんを選びました。
木造で建てると…
- 建設・製造時のCO2排出量が少ない
- CO2を吸収し炭素を固定する
- 木材は再生可能な資源
(引用:木材・木造建築は地球環境にやさしい)
このようなエシカルにつながります。さらに国産の木材を選ぶことで
- 日本の林業を応援することにつながる
- 木材自給率のアップにつながる
このようなメリットも。わが家では叶いませんでしたが、地元の木材を使ったりFSC認証のある木材を使ったりできるともっとエシカルな選択になるかと思います。
(参考)SDGsハウスのつくりかた
2. 家を丸ごと囲む外張り断熱
断熱は「外張り断熱」と「内断熱(充填断熱)」の2種類があります。
外張り断熱・・・建物全体を断熱材ですっぽりとおおう
内断熱(充填断熱)・・・柱の間に断熱材を設置する
外張り断熱のメリットは
- 高気密・高断熱
- 外気温の影響を受けにくい
- 結露を防いでカビの発生をおさえる
外張り断熱は技術が必要でコストが高くなるデメリットはありますが、住み始めてからの省エネを考えて外張り断熱を選びました。
ちなみに、わが家の断熱性・気密性がどのくらい高くなったのかについては、別の記事にまとめますね。
(参考)SDGsハウスのつくりかた
3. リサイクル可能な断熱材
もともとは、セルロースファイバーという新聞紙をリサイクルして作られる断熱材を希望していたのですが、予算と性能のバランスを考えて諦めました。
わが家の断熱材は、ネオマフォームという断熱性能がとても高い断熱材と、ロックウールという天然鉱物由来の断熱材です。
家をまるっと囲む外側の断熱材にはネオマフォームが使われ、壁に敷き詰められる断熱材にはロックウールが使われています。これはわたしたちが指定したわけではなく、メーカーさんのもともとの仕様です。
ネオマフォームの特徴は
- マテリアルリサイクル※1ができる
- グリーン購入法適合商品
- 生産時にフロンガス/代替フロンを発生させない
- 断熱性能が高く、最高等級である「Fランク」に区分されている
- 燃えにくい
(参考)旭化成建材公式サイト
※1 マテリアルリサイクル・・・廃棄物を新たな製品の原料として再利用すること
ロックウールの特徴は
- 燃えにくい
- 湿気につよい
- 騒音につよい
- リサイクルできる
(参考)JFEロックファイバー公式サイト
ネオマフォームはプラスチックではあるのですが、劣化しにくく端材リサイクルが可能。そして同じ厚みでも他の断熱材と比べて高い性能を発揮します。家は一生モノ。長期間にわたる省エネを優先しました。
(参考)SDGsハウスのつくりかた
4. 白い外壁
外壁の色を白にすることで太陽の光を反射し、室内の温度が上がるのを抑えられます。
世界中のビルの壁を白く塗れば、3億台の自動車が20年間排出するのと同じくらいの温室効果ガスを減らせると考えている科学者もいるそうです。
ニューヨークでもすでに多くのビルが白く塗られているだとか。(いつか見てみたいな〜)
外壁は迷いなく、白を選びました。屋根は白がなかったので、より白に近いライトグレーにしました。
5. サステナブルな床材を使用
家のなかで大きな面積を占める床材も、できるだけ環境負荷が小さくなるように選びました。
1階には無垢材
1階の床材は、無垢材です。
無垢材・・・切り出した1本の木を加工して作られたもの
フローリングにはいくつか種類があります。無垢以外のフローリングの場合、表面に木目調のプリントシートや薄い木を貼りつけるため接着剤が使われます。そのため最終的に土に帰らないものが多いです。
ちなみに木の種類はチークを選んだのですが、理由はチークのこんな特徴から。
- 湿気につよい
- 防水性が高く
- 反りにつよい
- しっとりとした触り心地
- 広葉樹なので比較的傷にもつよい
木の選び方については、YouTubeで勉強しました。
チークは国産ではないのですが、インドネシアで植林された「植林木」を使用しています。
(参考)SDGsハウスのつくりかた
2階にはリノリウム(マーモリウム)
2階お手洗い以外の全面に、リノリウム(マーモリウム)を採用しました。
リノリウムは花などの植物からつくられる、カーボンニュートラルな素材。
カーボンニュートラル・・・排出するCO2量と、吸収するCO2量がイコールなこと。植物が生きている間に吸収したCO2量と、その後製品になる過程で排出されるCO2を差し引きしてゼロになるという考え方
家具や小物で自然素材を多く取り入れたかったので、インテリアのベースとなる床材はシンプルでモダンな印象のタイルやシートで探しました。
採用したリノリウムの公式サイトはこちら
私たちが選んだのは「マーモリウム フレスコ」という明るいベージュカラーのデザインです。ちなみに、エコマークも取得しています。
6. 内装にほぼ塗り壁を採用
壁は、全体の7割ほどが塗り壁です。
塗り壁にすることで
- 自然の調湿効果が得られる
- カビやダニの発生を防ぐ
このようなメリットがあります。
また、天然素材で接着剤を必要としないため、より健康と地球環境に配慮することができるのだそう。
7. FSC認証つきの壁紙
コストの関係で壁紙を採用した部分の一部には、FSC認証を取得している壁紙を採用しました。
FSC認証・・・適切に管理された森林の木材であることや、その木材を使って製品がつくられていることを示す認証。FSC認証を取得している製品を選ぶことで、世界の森林を守ることにつながります。
水に弱いというデメリットがあったので、採用したのはパントリーのみ。手触りは和紙のような温かみのある感じです。
採用した壁紙の公式サイトはこちら
私が選んだのは、「シナモンベージュ」という、くすんだピンクブラウンのようなカラーです。肉眼で見ると写真よりももう少し濃くてピンク寄りのブラウンです。
8. 高断熱の窓・ドア
家全体の断熱性能を高めるため、開口部である窓とドアには、断熱性能の高いものを選びました。
YKK/APW 330(公式サイト)
YKK/ヴェナート D30(公式サイト)
さらに、窓は本当に必要な場所だけにすると決断。ドアやお風呂、お手洗いの窓はなくしました。
これは、コストダウンにもつながって一石二鳥になりましたよ♪
(参考)SDGsハウスのつくりかた
9. 冷めにくいお風呂
夫の帰宅が遅く、お風呂はいつも時間差入浴のわが家。寒い外から帰ってきてお風呂なしは気の毒すぎる。でも追い焚きや湯をもう一度沸かすのは、やっぱりエコではないんですよね(光熱費も気になる…)。
そこで、湯が冷めにくい保温効果の高い浴槽と断熱機能のある蓋を採用しました。
この風呂釜、まるっと断熱材で囲まれていて保温効果が高いのが特徴。使われている断熱材は発砲ポリエスチレンでプラスチックではあるけれど、長期的なエネルギー使用量や家族の暮らしやすさを考えて採用しました。
パナソニック オフローラ
ちなみに、鏡やテーブルなどはつけずに、みんながお掃除しやすくスッキリとした浴室を目標にしました。
(参考)SDGsハウスのつくりかた
10. 節水するトイレ
毎日使う、トイレの水。
節水モードやできるだけ「小」を選ぶ習慣は続けるにしても…。そもそも水を多く必要としない節水タイプのお手洗いを選びたいと思いました。
パナソニック アラウーノは流す際に排水溝が回転して、少ない水で一気に汚物を流す仕組み(ターントラップ方式)です。1回の使用水量は小で3.6L。
TOTO レストパルF I型は渦を巻くように流れることで、少ない水で流すことが可能(トルネード水流)です。
(参考)SDGsハウスのつくりかた
11. 参加しやすい対面式キッチン
我が家は息子が2人。
「家事はみんなで協力してするもの、性別は関係ない」日々の暮らしのなかからそう感じてもらいたいたくて、キッチンは参加しやすい対面式を採用しました。
パナソニック Lクラスキッチン(公式サイト)
Lクラスにしたことで
- リンナイのステンレスコンロを採用
- 引き出し内をステンレス製に
上記が可能になりました。
私はステンレス×無垢材のキッチンを希望していましたが、コストと夫の希望を考えて人工大理石のキッチンに(でも実際に使ってみるとこれはこれで気に入っています)。
コストに余裕があれば、天然石やステンレスの天板を選ぶとよりエシカルな選択になるかと思います。
(参考)SDGsな暮らしのヒント
12. 電気自動車の充電器
地方在住で車なしでは生活が難しいため、車を持っています。
今はまだガソリン車ですが
- 次に購入するとしたら電気自動車にする
- 後から取り付けるのは難しい
電気自動車の充電器を採用しました。
(参考)SDGsハウスのつくりかた
まとめ
コストやさまざまな制約、価値観の違う夫との家づくり。「100%サステナブル」とはいかなかったものの、およそ1年かけてわが家なりの精一杯のエシカルを取り入れられたと思います。
私たちは、一般的な地域密着のハウスメーカーで家を建てました。 これから住まいづくりをする人にとって、サステナな選択がもっと選びやすく、取り入れやすくなると良いなと思います。
もし、どこのメーかーか気になる方がいらっしゃれば、個人的にお伝えすることもできます。InstagramのDMか当ブログのお問い合わせからご連絡ください。東海地方の方であれば、おつなぎすることも可能です(そうすると床材や壁紙についても話が早いかな、と思います^^)。